いつの間にか、ぼくがかつて愛用していた WILLCOM の ZERO3 シリーズはもはやマニア向けアイテムと化し(元からだろ)、知らない間に世間のスマートフォン市場では iPhone と Android 端末の対立構図が明確になっていた。
ぼくも昨夏、ZERO3 の故障で iPhone に乗り換え、以来 iPhone を肌身離さず大切にしている。
さらに、しゃりんくんの影響によって、できればぼくもいつか iPhone アプリを作れたらいいなぁという軽い気持ちで Objective-C に手を出すに至った。
さて、ここまで iPhone を褒めといてなんだけど、iPhone アプリの開発には Mac が必須で、Windows マシンしか持っていないぼくはまだスタートに立てていない。
そんな中、ふと目をやると、Google が誇る Android がひときわ激しい輝きを放っていた。アプリ開発環境が実質タダ。しかも Java の知識をベースに開発が可能。実機を持っていなくても、エミュレータで挙動を確認しつつ開発を進められる。
これは楽しそうだと思った。
言い添えておくと、決して iPhone への熱が醒めたわけでもなければ Objective-C の習得に挫折したわけでもない。ただ、しゃりんくんの見ている『携帯端末向けアプリ開発』という世界を、ぼくも早く体感したかったのである。
思い立ったが吉日、まずは一にも二にも環境構築。
開発に必要な Eclipse IDE は既に持っているが、高校時代に入れたものなのでだいぶバージョンが旧くなってしまっている。そこで、Eclipse のダウンロードサイトから最新版の HELIOS を取ってきて入れた。
Eclipse HELIOS のスプラッシュウィンドウ。かっこいい。 |
ネットワーク経由でのインストールが何故かうまく行かなかったので(プロキシの設定が必要なのかな)、仕方なく ADT ダウンロードサイトから、ADT-10.0.1.zip をローカルにダウンロードして、そこからオフラインでインストールする事に。
Location: jar:file:/D:/Program Files/eclipse/ADT-10.0.1.zip!/ |
続いて、パソコンに Android SDK をインストールする。ダウンロードサイトから android-sdk_r10-windows.zip を落としてきて適当なところに配置。
パスを通しやすいよう、SDK は D:\android\ の下に置き、環境変数 PATH に D:\android\android-sdk-windows\tools; を追加。
これでよし。とりあえずちゃんと設定できているかを確認するために fastboot コマンドを打って……。
AdbWinApi.dll が見つからない。 |
ちょっと付属の ReadMe を読んでみたところ、
と書いてあったので、もともと付属していなかった模様。なにこれダメじゃん。Welcome to the Android SDK!
The Android SDK archive initially contains only the basic SDK tools. It does not contain an Android platform or any third-party libraries. In fact, it doesn't even have all the tools you need to develop an application.
(後略)
ちなみに dll ファイルはネットを漁れば簡単に見つかるのだが、どうせ後で追加の SDK コンポーネントをセットアップするので、今はこれは無視し、再び Eclipse に戻って Window > Preferences から SDK のパスを設定。
さっきの SDK は単なるスターターパッケージなので、更に SDK のコンポーネントを追加する。
Window > Android SDK and AVD Manager を開くと、インストールできる項目がずらっと列挙されるので、ここから目当てのコンポーネントを選ぶらしい。
最低限、SDK Platform-tools と Samples さえあればなんとかなりそうだったので、とりあえずそれだけ選んだ。もし後で必要になったらその都度入れていけばよい。
ADB を再起動後、今度はエミュレータの設定を行う。先ほどの SDK and AVD manager で、新しい Virtual Device を作る事に。
ここでは、Android のバージョン(今回はちょっと旧めに2.2)と、画面解像度を設定。適当に名前をつけて保存した。
実機は使わない(というか持ってない)ので、設定はこれで一旦終了。
さて、これまでの道のりが多少ヤバかった事もあり(エラーが出たりとか)、果たしてちゃんと環境構築できているのか気になるところ。
サンプルの Snake をプロジェクトにインポートして、ちゃんと動くか確かめてみた。
普通の Java アプリケーションを実行するのと同じように、Run ボタンをクリックすると、エミュレータが起動してそこで Android アプリが動くのだという。
ビルドしてみたが、エラーらしいエラーは出なかった(場合によってはクラスパスの設定が必要な場合もあるらしい)。
しばらくすると、エミュレータが起動する。
最近の携帯はこんなにもオシャレな画面なのか。
プログラムがロードされると、待ち受け画面に遷移。
上の写真の鍵マークを右側にドラッグすると、ロックが解除されて操作可能になる。
サンプルの Snake は、なんか大昔のパソコン(PC-98)を彷彿させるゲームだった。
なんと、iPhone アプリより先に Android アプリの開発環境が調ってしまった事になる。やったね!
……と喜んだのも束の間、これ、ぼくのノートパソコンで動かすにはちょっと厳しい事に気付いた。
いつもの感覚でビルドしたら、なんとエミュレータが固まってしまったのだ。 Eclipse 以外のアプリケーションを全て終了させて、やっと動作する程度。それも、ものすごく時間をかけて。
たとえばゲームなどを作る際、ちょっと修正してはビルドして試運転……という『ビルド頻発』のサイクルを避けねばならない事を意味する。
うーん……。学校のマシンに入れ直してそっちで遊ぶか……。