2011/03/08

G線上のアリア

【ミッション: G-SHOCK を体感せよ】

学校の近くに、万人家(まんにんや)というラーメン屋さんがある。

ここは数年前、ぼくが家探しに来た際に立ち寄った思い出深いお店で、叉焼が花びらのごとく撒き散らされたワイルドかつダイナミックな見た目がチャームポイントらしい。

当時純情な少年だったぼくは激しくカルチャーショックを受けたわけだが。

そんなぼくも今や刺激に満ち溢れた世界にどっぷり浸り、さらなる興奮と感動を求めて彷徨い歩くようになっていた。

ふと足を止めた場所は、あの純情だった頃の思い出がいっぱい詰まった万人家。暖簾をくぐると、あの時には無かったロックなメニューが増えていた。

その名も『G麺』。
GATTSURI (ガッツリ)
GOKUBUTO (ゴクブト)
GARLIC (ガーリック)
のG麺である。なんだ、この二郎をかわいくしたようなコンセプトは。頼むしかない……!!

※ ちなみに、『ガッツリG麺』というハイグレードモデルもラインナップされていたが、地雷な気がしたのでふつうのやつをオーダーした。あぁ、ぼくのいくじなし…。
運ばれてきたブツはこちら。

てっぺんに得体の知れない赤と白のオブジェが載っているが、このうち白い方は大量の生にんにくである。

一口たべて、ぼくは修羅場を悟った。スープがガーリックに殺されている……!! 香味野菜つえー。スープよえー。

さらに食べ進めると、まるでLANケーブルのごとき太さの麺が姿を現した。

なるほど、茹で時間が妙に長いと思ったら、この非常識な麺に火を通すためだったのか。

やがて、うどんのような極太麺と、まるで親の敵のように配合された大量のガーリックが死の舞踏を繰り広げ始めた。

ヘヴィーな極太麺は、胃へのもたれかかり方も半端ではない。お腹をすかせて行ったぼくですら、完食できるかどうか不安になったほどである。

これは女子供が面白半分に頼むものではない。絶体絶命でんぢゃらすじーさんならぬ、でんぢゃらすG麺である。少なくとも初デートとかでこんなものを頼むのは破局への特別快速きっぷだ。



さて食後。

かねてより購入していたブレスケア(50粒)を全て飲み込んだにもかかわらず効果が無い。

万人家のガーリックはスープの味を殺しただけでは飽きたらず、小林製薬すらもあざ笑ったのだ。最強すぎる。

……こうしてぼくは、世の中の恐ろしさをまた一つ知ってしまった。